Le Orme『Felona E Sorona』
今回のアルバムはLe Ormeの『Felona E Sorona』。
Le Ormeは67年にイタリアはヴェネツィアで結成されたグループ。
もとは5人組のビートポップバンドだったらしいが、途中で3人組になり、プログレに傾倒しだしたとか。
イタリアのELPと称されることが多いらしいが、まあどこを見ても否定されている。
実際ELPにはほど遠く、キーボードが暴れまわることもなければ、常にどこか剽軽に聴こえたりもしない。むしろ深刻に聴こえる。共通点といえば三人組でキーボードをフィーチャーしていることくらいか。
このアルバムは、全体を通して1枚の物語になっているそうな。
そのため、曲間に切れ目がなく、最後までつながっていくのだけど、
その中で明るい曲と暗い曲がハッキリ別れており、非常に聴き応えがある。
この振れ幅の大きさによって厚みを出す手法はキーボードにも表れている。
さほど手数が多いわけではないが、様々な音色を使い分けることによって存在感を出しているのだ。
特に、最終曲での追い立てるようなプレイは圧巻。どこか全く知らない世界へ追い込まれていくような怖さがある。
ドラムは逆に、手数の多さで存在感を出している。一曲目の最後なんかもうほとんどドラムソロ状態。4つ打ちを基調としつつも、そこかしこで手数を増やしてくるこの感じ、かなり気持ち良くて好きだな。
お気に入り度★★★
ベッタベタに叙情的ではないけど、イタリアらしい感情の発露はある一大叙事詩という感じだった。