Pink Floyd『Wish You Were Here』
今回のアルバムはPink Floydの『Wish You Were Here』。
これまたド有名なジャケットですね。人が燃えてるやつ。人が燃えてるジャケットを扱うのはRage Against The Machine以来です。
それまでシド・バレットを中心に活動してきたPink Floydだけども、『Dark Side of the Moon』の大成功によって生活が一変。
シド・バレットはかねてからのヤク中がいよいよ極まって脱退、他のメンバーも燃え尽きたり私生活がゴタゴタしたりで新アルバムの制作は難航。
そして紆余曲折の末完成したアルバムは、脱退したシド・バレットに対する感情を歌いあげたものとなった……らしい。
作詞を担当したウォーターズは「決してシドのみに向けたメッセージではなく、すべての人間に当てはまることだ」と語っているそうだけど……wiki先生情報だしソースも示してなかったからようわからんね。
さて、曲の方だけども、
前作までの途方もない広大さというか、無間の空間の中を身一つで浮遊しているかのような感覚は、今作にはあまりない気がする。
これはリマスタリングのせいだけではないだろう。シド・バレット脱退の影響とやらなのかも。
まだThe WallとかAnimalsとか聴いてないし、断ずることはできないけど。
代わりに、身を切るような切なさが備わった。
前作までより身近になって、より感情が伝わりやすくなった感じ。
まさに「Wish You Were Here」といった感じのどうにもならない切望が、このアルバムには凝縮されている。決して「Are」じゃないんだよな……「Were」なんだよな。もう、どうにもならんのだ。
ブルース色が増して、その代わりに「プログレ」感というか、前衛感が薄れたな。
デヴィッド・ギルモアのギターは鮮やかながらも浮遊感も持っていて、本当に良い。相変わらず良い。
「Shine On You Crazy Diamond」は言うに及ばず、「Have A Cigar」のパワフルなソロも良いし、「Wish You Were Here」のアコギも良い。
お気に入り度★★★★★
「Shine On You Crazy Diamond」、「Wish You Were Here」が好き。
最初は★4つけてたんだけど、聴いてるうちにだんだん猛烈に良くなってきて結局★5に。
聴けば聴くほど良いタイプのアルバムだった。