エレファントカシマシ『生活』
今回のアルバムはエレファントカシマシの『生活』。
すばらしいアルバムだった。
いや、すばらしい。ここまでグッとくるアルバムは久しぶりだ。
アルバムの内容としては、終始ボーカルの宮本が叫び、下手なギターをかき鳴らす曲が続くだけなのだけれど、
その熱量と、詩が絶妙にマッチしている。
そう、詩。このアルバム、詩がすごくいいんですよ。
自分と世間との摩擦に苦しみながら、
ささやかな生活の中にあるささやかな美を見据えて、主体的に生活を送っていこうとする決意……
梶井基次郎なんかを彷彿とさせるような、清冽で冴えた文章、それでいて宮本特有の爆発的な感情の発露もある。
聴いてるとあまりの悲壮さ、それゆえの美しさに涙が出そうになるんだけども、同時に「俺もやっていくぞ」という気持ちに……
いや、ならない気がするな。一曲目時点ではなっていたけど、どんどん聴いていくうちに、
「宮本は必死に戦っているけども、ぼくは何もしていないじゃないか、
この程度の自分が勝手にこの曲に共感していいのか?いや……」
なんて、自省する羽目になってしまった。
下のリンクにも書いてあるけども、自分の安全領域に土足で踏み込んできて、胸ぐらをつかんでくるような、そんなアルバムだと思う。
詳細な解説はいいブログがあったので任せます。
お気に入り度★★★★★
「男は行く」「偶成」が好き。
「偶成」の最終連の美しさたるや!