OGRE YOU ASSHOLE『ペーパークラフト』
今回のアルバムはOGRE YOU ASSHOLEの『ペーパークラフト』。
前作の『100年後』に見られたようなドリーミーさ、浮遊感は残っているものの、より音数が抑えられ、研ぎ澄まされたような印象。
まさに「ムダがないって素晴らしい」という感じ。
一点への集中力を感じる。
薄いのに案外しっかりできている、ペーパークラフトとはこのアルバムの歌詞ではなく音をこそ象徴する言葉なのかもしれん。
今回は歌詞も前作よりメッセージ性の強いものになった気がする。
案外うまく成り立っているし、見た目も良いのだけれど、何かが欠落しているような社会への批判を感じる。
いや、社会への批判だけではないんだろうな。オウガ自身も自分たちの中に欠落を感じているのかもしれない。ただ、それに対する問題意識が、結局「これも良し」という妥協に決着してしまい、終曲の最後にはまた『Homely』の「居心地が良くて悲惨な場所」に戻っていってしまう……
そんな葛藤を感じるのだけれど、深読みしすぎやろか。
お気に入り度★★★★