Dr.Feelgood『Down by the Jetty』
今回のアルバムはDr.Feelgoodの『Down by the Jetty』。
孤高のパブロックバンド・Dr.Feelgoodの1stアルバムである。
その切れ味は、ライブアルバムと変わらず。愚直なまでにロック、ロック、ロック!
いつまでも頭を振り続けられる名盤。
モノラル録音の荒い音も、演奏の勢いを増しているようで全く苦にならない。
中でも、やっぱりウィルコ・ジョンソンのギターがめちゃくちゃ良い!
バッキングではザクザクとコードカッティングを刻みつつ、いざソロとなると一気に全面に踊り出して暴れまわる。
理性的ながらもキレッキレな感じが、猟犬を彷彿とさせる。
特に一曲目「She Does It Right」のプレイは圧巻。
お気に入り度★★★★★
「She Does It Right」「The More I Give」「All Through The City」が好き。
Dr.Feelgood『Stupidity』
今日のアルバムはDr.Feelgoodの『Stupidity』。
大傑作のライブアルバムである。邦題は『殺人病棟』。……殺人病棟とは?
いや、しかし、『殺人病棟』という邦題をつけたくなるのも頷ける内容だった。
ゴリゴリの横ノリに乗せて、リー・ブリローが叫ぶ!!ハーモニカを吹きまくる!!そしてその音の竜巻のなかを稲妻のごとく切り裂くのは、不世出のギタリスト、ウィルコ・ジョンソンのカッティング!!
いや、エゲツない切れ味。確かにこれは殺人病棟ですわ。
ボーカルのリー・ブリローも相当なもんだけど、
やはり圧倒的に目立つのは、ギターのウィルコ・ジョンソン。
カッと目を見開き、ひたすら前後運動を繰り返しつつ、素手でえげつないカッティングを繰り返す。
その姿から、「サイコ」というあだ名で呼ばれていたとか。そのギターの構え方がマシンガンに例えられることもある。
うん……どう見ても異常者だわな。
それがめちゃくちゃカッコいいんだけど。
お気に入り度★★★★★
いっぺんノッてしまえば最高のライブアルバムだ。
「She Does It Right」「Roxette」が好き。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『CASANOVA SNAKE』
今日のアルバムはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの『CASANOVA SNAKE』。
大名盤『GEAR BLUES』に次ぐ5thアルバムだ。
いや、今回もゴリゴリで最高だなあ!!!!
とはいえ、前作とは打って変わって親しみやすい雰囲気。
ずっと明るいかというとそうでもないんだけど、ひたすらバンド内のテンションに任せて突っ走ってる感じで、その親密さ、ドライブ感が良い。
前作が緊張だとしたら、今作は開放だろう。
全曲ゴリゴリのロックンロールだから体力は使うけど、カラッとしててめちゃくちゃにテンションが上がる。
特に「プラズマ・ダイブ」からの「リボルバー・ジャンキーズ」。
ここまでカラッとはっちゃけた曲はこれ以前にもこれ以降にも無いんじゃなかろうか。まだ何枚か聴いてないやつあるけど。
そんなカラッとしたアルバムを〆るのが、「ドロップ」なんだけれど、この曲は他の曲とまったく趣が違う。
楽器隊はひたすら同じような進行を繰り返し、その上でボーカルが切れ切れに叫ぶ。
そのジワジワと何かが進んでいく感じが、まさに「じりじりと夜になる」ようで、胸に迫るものがある。どんどん気持ちが落ち着いてきて、「ああ、もう終わるんだな……」という気分になる。
狂乱のアルバムを締めくくるのにふさわしい名曲だ。
お気に入り度★★★★
「プラズマ・ダイブ」「リボルバー・ジャンキーズ」「ドロップ」が好き。
Hatfield and the North『The Rotters’ Club』
今回のアルバムはHatfield and the Northの『The Rotters’ Club』。
Hatfield and the Northはスタジオアルバムを二枚だけ残して解散してしまったが、これはその二枚目である。
牧歌的ながらも、激しいインタープレイによる盛り上がりもあり、それがまた美しい。
激しいながらも重く鋭いわけではなく、あくまでも角が丸い感じ。
幻影的なメロディがジワジワと絡まり合い、徐々にテンションが上がっていくような……
そこに乗っかるのがリチャード・シンクレアのボーカル。
これはもう文句なしに良い。これだけ柔らかで暖かいボーカルはそうそういないだろう。この牧歌的で幻想的な雰囲気に、彼のボーカルが寄与するところは大きい。
初聴で格別に衝撃を受けるようなアルバムではないのだろうが、
その凄さはわかる。
また何回か聞けば、あるいは何年か後に聞けば、
ハマるタイプのアルバムなのだろうな。
お気に入り度★★★
Pixies『Surfer Rosa』
今回のアルバムはPixiesの『Surfer Rosa』。
なんだこれ。めちゃくちゃに良い。
歪みまくりの轟音ギターに前のめりでパワフルなドラム、線が細いながらも絶叫するボーカル。
ノイズまみれで、ともすれば聞き苦しいくらいなのに、不意にそこから異常に美しいメロディが顔を覗かせ、それがどうしようもなく感情を掻き立てる……いや、これは良いですわ。
NUMBER GIRLはPixiesに影響を受けたという話は有名だけれど、
なるほど、この初期衝動感というか、勢いと輝かしさはNUMBER GIRLの初期とも共通するものがある。
Pixiesのほうがより繊細に聴こえるけれど。なんでだろう。下手だからかな。
お気に入り度★★★★★
「Gigantic」が最高。イントロから泣けてくる。
Beck『Odelay』
今回のアルバムはBeckの『Odelay』。
何やらかわいいジャケット。
Beckを聴くのは初めてだけど……なんだこれ。すごいな。
ポップなのだけど、ポップなのだけど、何が何やら。
同じリズムを溌剌と叩き続けるドラムはヒップホップっぽいけど、
ボーカルは気怠げで漂うようでブリットポップらしい。
かと思えばサンプリングを多用したりするし……
それでもポップで聴きやすいんだよな。なんだこれ。
こういう音楽、耳馴染みがないかというとそうでもない。
Gorillazとか、Plus-Tech Squeeze Boxとかが近い気がする。
たぶん、Beckの方が彼らに影響を与えたんだろうな。
お気に入り度★★★★
どの曲ともなく好き。