THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『SABRINA HEAVEN』
今回のアルバムは『SABRINA HEAVEN』。
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが最後にリリースしたフルアルバムだ。
重い。とにかく重い。
しこたま酒を飲んで徹夜した後のような頭の重さ。
凄まじい迫力だ。この迫力が表現できるボーカルはチバユウスケをおいて他に居なかったし、この迫力が表現できるバンドはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTをおいて他になかっただろう。
まさしく一つの到達点という感じがする。
この重さは、当時の彼らが持っていた閉塞感とか絶望に由来しているんじゃなかろうか。
「ジプシー・サンディー」以降の曲にその傾向がよく表れている。
中でも「マリオン」の歌詞からは彼らのもどかしさや苦しさが伺える。
まさしく彼らは「太陽をつかんでしまった」がために……
しかし、「マリオン」に続く「サンダーバード・ヒルズ」では「お前の未来を愛してる」という独白が入り、そのままピアノ入りの空洞的なインストナンバー「NIGHT IS OVER」に繋がっていく。
このあたりからはそのまま、彼らの進退に関する決意、覚悟を感じてしまう。
こういう決意みたいなのに弱いから、ついついそういう見方をしちゃうというのもあるけれど……
お気に入り度★★★★
「ヴェルヴェット」「ジプシー・サンディー」「サンダーバード・ヒルズ」が良かった。