Keith Jarrett / Charlie Haden『Jasmine』
今回のアルバムは、Keith JarrettとベースのCharlie Hadenが共演した2010年のアルバム『Jasmine』。
両者は実に30年ぶりの共演だそうな。30年前のアルバムを聴いてないからこの点に関しては何も言えんが、やっぱりファンからするとかなり大きな意味を持つ盤らしい。
静かなバラードばかりが収録されていると聞いたので、
聴く前は「退屈かもしれんなあ」と不安に思ったりもしていた。
しかし、いざ再生を始めてみたら、
彼らのロマンティックな演奏に聞き惚れている間に、あっというまに聴き終わってしまった。
いや~、いいなあ。
キース本人の解説文によると、このアルバムに収録されているのは「メッセージをそのまま残すことに気を使って演奏された、すばらしいラブソング」だそうだ。
ラブソングといっても歌はキースのいつもの唸り声しか入っていないのだけど、音楽がなによりも雄弁に愛を語っている。
もたれかかるようなテンポ・ルバートが、暖かいベースの音色とあいまって、なんともいえず心地いい。
ロマン派あたりで、「歌詞のない器楽こそが、詩の世界を最も純粋に表現することができる」とする流れがあった気がするけど、
このアルバムを聴いてるとまさにそれを実感するな。
すばらしい無言詩だ。それも、生活に寄り添った無言詩。
お気に入り度★★★★
「Where Can I Go Without You」「Goodbye」が特に好きです。
もっとキースジャレット聴きたいけど、どれから聴けばいいんだろうな。
とりあえず目についた有名盤から買ってるけど……先達が欲しいところだ。