星野源『YELLOW DANCER』
今回のアルバムは星野源の『YELLOW DANCER』。
星野源に対してはなんとなく食わず嫌いをしていたけれど、
いざ聴いてみると……案外良い。
ソウル、ファンク、テクノなど、ブラックミュージックの影響は多分に感じられるんだけど、
「日本語でブラックミュージックをやる」という感じではなくて
「歌謡曲・ポップソングにブラックミュージックのエッセンスを足す」くらいにまとめてるところが良い。
ブラックミュージックをしっかり消化した上で、日本らしい音楽に昇華しているのである。
星野源の声質ではなかなかブラックミュージックのソウルフルさは出せないだろうし、このポップネスは声に合った着地点ともなっている。
この「あくまでJ-POP」というバランス感覚と、親しみやすい音高・声質はやっぱり今の大ヒットの要因になっているんだろうなあ。
それに星野源、曲のセンスもさることながら、演奏陣がすごい。
OKAMOTO'Sのハマ・オカモト、凛として時雨のピエール中野、元はっぴいえんど・YMOの細野晴臣といった錚々たるメンツのほか、
ブラスや弦、ピアノも豪華メンバーが揃っている。
それでも演奏が目立ちすぎることはなく、あくまで歌モノの名脇役に留まっているんだけれどね。やはりバランスが良い。
お気に入り度★★★★
「SUN」「桜の森」「Down Town」あたりが好き。