world's end girlfriend『SEVEN IDIOTS』
今回はworld's end girlfriendの『SEVEN IDIOTS』。
world's end girlfriendといえば某コピペで有名だけど、
今回はそのアルバムとはちょっと趣が異なり、
「最初にAメロ/Bメロ/サビという一般的な形式の唄ものを作曲し、その後、ヴォーカル・パートを完全に消去。残されたトラックに破壊と構築を繰り返し施し作り上げられたもの」
とのこと。
前半の曲は、まさしくポップソングの再構築といった明るい音でまとめられている。
かといってそれで楽しげな印象を受けるかというと、そうでもない。
音が明るくてポップなのはいいんだけど、偏執的なまでに施された打ち込みの装飾のおかげで、
聴いていてひっかかるというか、歪な印象を受ける。
「夜の遊園地的な怖さ」というレビューがあったけど、まさにそんな感じ。
そんなポップな前半から一転、8曲目以降の後半はどんどんジャケットのイメージにそぐうダークな世界へと落ちていく。
作者のインタビューによると、ダンテの神曲をイメージして、天国から煉獄、地獄へのつながりをイメージしてこのような構成にしたとのこと。天国に浸っていたら、知らない間に大変なところに連れてこられてしまう感覚だと……
12曲目はまさに「地獄」の終着点なんだろう。鳴り続ける叫び声、凶悪に詰め込まれた音の混沌。もうなにがなんだかわからん。
そうして混沌の中でかき回された身体に、優しくも暗い13曲目が一筋の光を落として、アルバムは幕を閉じる。
う~ん、事前にインタビューを見ていたからイメージは湧きやすかったものの、それでも乗り切れなかったな。前半ですら奇妙で不気味な印象が先行しちゃうから、イメージに没頭できない。ちょっと身構えちゃうというか、距離を置いちゃうというか。
こういうのは精神状態によるところも大きいと思うから、また深夜とかに聴いてみたら違うのかもしれない。寝られなくなりそうだけど。
お気に入り度★★
「Les Enfants Du Paradis」「Teen Age Ziggy」が好きでした。