岡村靖幸『靖幸』
今回のアルバムは岡村靖幸の『靖幸』。
岡村靖幸はちょこちょこ聴いたことがあるけど、
アルバム単位で聴くのは初めてだ。
しかし……
まさか、ここまでカッコいいとは!!
そして……
まさか、ここまで気持ち悪いとは!!!!
ボーカルには終始圧倒されっぱなしだった。
まず特筆すべきは、ソウルフルで力強く、表現力豊かな歌声。のどを締めたような声も、裏声も、シャウトも、全部素晴らしい。一人で完全に楽曲を支配する力を持っている。
その上、リズムもめちゃくちゃタイトにハマってる。日本人でソウルやファンクを取り入れた音楽をやっている人はたくさんいるけれど、ここまでリズムをキメられる人はそういないんじゃないか。間奏にも効果音のようにボーカルが散りばめられていたり、バッキングがボイパだったりと、とにかく全曲を通して弾けるようなリズムが気持ちいい。
もう文句なし。素晴らしいボーカルだ。
ただ、欠点を挙げるとすれば……
猛烈に気持ち悪い。
いや、これも美点にもなりうるのだけど……
人は選ぶだろうな……
ねぇ 君のパンツの中で泳がせてよ
綺麗な水しぶきを上げながら バタフライしたいよ
(「どんなことをして欲しいの僕に」より)
この僕は 君の最新型のベット 最新型のベットだよ
今夜は 君のヒップが何でできているか
パパやママやみんなに教えてあげるんだ(「聖書」より)
どうやったらこんなに気持ち悪い歌詞を思いつくんだ。
その上、この歌詞を語りに持ってくるし。
あまりにも気持ち悪すぎる。
いや、「ラブ タンバリン」「だいすき」みたいなさわやかな曲もあるんだけどね。
それも他の曲との対比で逆に気持ち悪く思えるんだよな……
聴いているうちにその気持ち悪さが癖になるんだけどね。
いや、すごい……ここまでの個性を持った人がいるとは……
お気に入り度★★★★
「聖書」「Co'mon」が好き。めちゃくちゃいいんだけど、何回も聴くのは辛いな……