Keith Jarrett『The Survivors' Suite』
今回のアルバムはKeith Jarrettの『The Survivors' Suite』。
キースは、73年からアメリカにてカルテットを組んでいた。
ヨーロッパで組んだカルテットと区別するため、そのカルテットは俗に「アメリカン・カルテット」と呼ばれるらしい。まんまだ。
今回のアルバムは、そのアメリカン・カルテットによって76年に録音されたものだ。
めちゃくちゃカッコいい。
もう一曲目の10分だけで、ひっくり返るくらいカッコいい。
すさまじい緊張感の中を潜り抜けると、徐々にモチーフが顔を出しはじめ、
それでもまだ何か物足りない、開放されきらないなと思っていたら、
ピアノが入った瞬間すべての音は一気に精緻な完成を迎える……
いや、たまらんなあ。たまらん。
二曲目の中盤もすごい。
一度完成したと思った音が、どんどんテンションを高めてさらに完成していく。
絶頂を迎えたと思ったら、次の瞬間にはそれを超える絶頂が来る。なんだろうなこの感じ。某催眠オナニー音声で、「ゼロ!ゼロ!ゼロ!」と連呼されている時に一番近いな……
伝わらないか。伝わらないだろうな。聴いて下さい。どっちも。
こんなジャズもあるんですね。
この緊張と開放の美学は、プログレに求めているものだったけど、
思わぬところで思わぬ充足を得たなあ。
このエゲツない演奏をしていたカルテットのうちの2人が、
数十年後に『Jasmine』を出すんだから、
経験を積むってことは凄いことなんだな……
お気に入り度★★★★★
素晴らしいアルバムなんだけど、めちゃくちゃ集中して、気合を入れて聴かないと入り込めなくてしんどいだろうな。
落ち着いた深夜に聴けてよかった。