Keith Jarrett Trio『Somewhere Before』
今回のアルバムはKeith Jarrett Trioの『Somewhere Before』。
ここでいうKeith Jarrett Trioというのは、ポール・モチアン、チャーリー・ヘイデンの両名と組んだトリオ。後にこの編成にデューイ・レッドマンが加わり、アメリカン・カルテットになる。
このアルバムは、そんなKeith Jarrett Trioが1968年に行ったライブの録音だ。
ライブ盤であるためか、非常に親しみやすい。
まさにジャケット通り、アフロの兄ちゃんがニコニコしながら気さくに弾いてくれてる感じ。
70年代以降の盤に表れる、ヒリつくような緊張感や極限まで澄まされた感情はここにはまだなくて、明るさや若さが主に感じられる。
バタバタしたフリージャズからアップテンポの曲まで手広くやる姿勢も若々しくて素敵。
当時キースは23歳。そりゃ若いもんなあ。
とはいえ、後年に繋がるリリシズムもしっかりと感じられる。
メロディを大切に、印象的に弾く姿勢は全曲共通。中でも1曲目の「My Back Pages」なんかは異常に完成度が高く、何回聴いても胸が締め付けられるほどメロディの弾き方が良い。完成度が高すぎて、アルバムの中でも浮いている気がするほど。
それに絡む、モチアンの一種野性的というか、ドタバタしたドラムも、妙にハマっていて気持ちいい。特に4曲目の「Somewhere Before」。
お気に入り度★★★★★
「My Back Pages」「Somewhere Before」が好き。